やきものの装飾は、顔料を使って器面に色や模様を描く方法、すなわち絵付が代表的ですが、
ほかに、模様を彫る・貼るなど器面そのものを加工する方法、器面の形や釉薬に変化をつける方法などがあり、
これらを組み合わせることで、製品の表情が生み出されます。
器表面への装飾
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印花
文様を彫り付けた印材などで乾燥前の素地に押しつけて文様を施す方法。古くは鎌倉時代の古瀬戸にその例が見られます。
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画花(かっか)
素地にカンナやヘラなどで文様を刻みこむ方法。沈み彫りともよばれます。
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貼花(ちょうか)
素地土と同じ粘土で器面に文様を貼りつける方法。
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浮かし、浮彫り
器面を掘って模様を凸状に浮き立たせる方法。
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櫛描
櫛の歯状の施文具を使って文様を施す方法。
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象嵌(ぞうがん)
彫り込みや陰刻の部分に素地と違う土を嵌め込む方法。
釉薬による装飾
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化粧、刷毛目
素地土の上に白泥などを塗る方法。
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掻き落し
素地の上に違う色の土を塗り、表面を削って素地の色を出す方法。
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掛け分け、流し掛け
素地の上に違う色の土を塗り、表面を削って素地の色を出す方法。
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ぼかし、吹き墨
刷毛やキリフキを使って、濃淡を出す方法。
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イッチン
筒などを使って、粘性の高い顔料を盛るようにのせる方法。盛り上げ手ともよばれます。
器形そのものでの装飾
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輪花、稜花
口縁部に一定間隔あるいは連続的にくぼみをつけたり、体部に同様に線を施して花弁状にする方法。
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面取り、ヘラ目
球面となっている器の表面を削り、多面体にする方法。
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沓形
器の口縁から胴にかけて楕円形などに歪める方法。
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透かし
器面の一部を文様状にくり抜く方法。
その他
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練込
色の違う素地土を混ぜて文様をつくる方法。